約40名を対象に、五種(甘味、苦味、酸味、塩味、旨味)の基本味覚刺激提示中の被験者の脳活動を超高磁場MRIで計測した。島皮質におけるこれら5種の基本味覚の脳内表象を、univariate analysis(単変量解析)を用いて解析したところ、それぞれの味覚を弁別可能なクラスタは観察されなかった。視覚刺激実験系において開発した、副次的脳活動除去法を、この味覚データに適用し、味覚野(島皮質と前頭眼窩野)を除く脳領域(後頭葉、側頭葉、頭頂葉、前頭葉など)の脳活動で説明できる成分を解析的に除去し、味覚マップが見られるかを調べたが、空間的に完全に分離した味覚マップは発見されなかった。
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