研究課題/領域番号 |
21H02807
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井上 治久 京都大学, iPS細胞研究所, 教授 (70332327)
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研究分担者 |
佐原 成彦 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部, 上席研究員 (40261185)
渡辺 亮 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (60506765)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | タウワクチン / 脳内免疫応答 / ナノ粒子 / シングルセル解析 |
研究成果の概要 |
ウイルスワクチンベクターを投与したタウオパチーマウスの脳シングルセル解析を実施した。また、点鼻タウワクチンベクターへの利用に向けてナノ粒子を作製し、マウスへの投与を行い、その導入効率等の検討を行った。シングルセル解析データから遺伝子発現プロファイルに基づく細胞分類法によりミクログリア分画をさらに分類して解析を行ったところ、ウイルスワクチンベクターを投与したタウオパチーマウスでは抗炎症に関わる遺伝子群の発現上昇を呈するミクログリアが増加していることを見出した。結果として、ウイルスワクチンベクター投与により変化する細胞分画を同定し、ウイルスワクチンにより神経炎症が抑制される可能性があると結論した。
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自由記述の分野 |
病態神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タウオパチーモデルマウスにおいて、病態抑制効果を示した点鼻ワクチンの例はこれまでなく、そのワクチンの病態抑制効果の解明は学術的独自性を有する。さらに、グリア炎症は、病態悪化に寄与する面もあるとされるが、本例ではワクチン投与初期に一過性のグリア炎症の上昇が見られ、通常の神経変性疾患に伴う慢性的なグリア炎症と、治療効果を有するグリア炎症それぞれの脳内免疫応答性の解明は学術的意義があると考えられる。超高齢社会における認知症の予防は重要な課題であり、高齢者数が増えていくことが想定されている状況下での、予防ワクチンの研究は創造性を有すると考えられる。
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