研究分担者 |
長谷川 成人 公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 分野長 (10251232)
村山 繁雄 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 特任教授(常勤) (50183653)
齊藤 祐子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (60344066)
宮崎 早月 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60452439)
奥崎 大介 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (00346131)
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研究実績の概要 |
我々は糖尿病および加齢による認知症促進メカニズムの解明を行った。昨年度は、「認知症における肥満パラドックス」についてJournal of Neurology, Neurosurgery, & Psychiatry誌に報告し、editorial commentaryとeditorial choiceに選出された。すなわち、中年期の肥満は認知機能低下を促進するが高齢期の肥満は認知症発症を抑制する、ということである。そのメカニズムとして肥満があると老人斑が少ないことが判明した。さらに「認知症における肥満パラドックス」はAPOE遺伝子型に依存すること、すなわちAPOE2遺伝子型では肥満による認知症発症保護効果はないことが判明した。このことはAPOE2遺伝子型による認知症発症保護効果と肥満によるそれは共通のメカニズムを有している可能性を示唆する。さらに興味深いことに肥満・糖尿病合併ADマウスでは老人斑は減少することが判明した(Shinohara, Sato, et al. FASEB BioAdvances, 2021)。また肥満・糖尿病とADの合併によりはじめて発現増加する遺伝子のうち、上位4遺伝子につき、遺伝子欠損マウスを作成し、解析を行った。B-cell translocation gene 2 (BTG2)遺伝子は慢性脳虚血時におけるグリア細胞系の増殖抑制に関与することを報告した(Suzuki, Sato, et al. J Neuroinflammation, 2021)。またLSS遺伝子はAldh1l1-creマウスとの掛け合わせにより、アストロサイトを含むAldh1l1発現細胞においてconditionalに欠損させると数日で死亡することが判明した。DUSP1についてもADマウスとの掛け合わせにより、アミロイドβの代謝に関与することが判明した。
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