研究課題/領域番号 |
21H02854
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
池田 匡志 藤田医科大学, 医学部, 教授 (60424933)
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研究分担者 |
國井 泰人 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00511651)
寺尾 知可史 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (60610459)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 統合失調症 / 双極性障害 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、 (1) 遺伝的構造決定が困難なC4遺伝子多型のタイピングを決定し、日本人用にGWASデータからハプロタイプ推測を可能とするin silico解析を確立して一般に公開すること(他疾患の解析でも参照データとして利用可能)、 (2) 精神疾患との関連解析(含メタ解析)およびその他疾患(特に免疫疾患)を利用したPheWAS(C4遺伝子多型をハブにして多数の疾患で関連を検討する)を実施、 (3)死後脳・血漿でのC4タンパクと遺伝子多型との関連を検討し東アジア人の精神疾患(統合失調症と双極性障害)とC4の関連性に決着をつけ、疾患感受性をtrans-ethnicの観点から病態生理にせまることにある。 本年度は、C4遺伝子多型を59トリオサンプルで確定させた(トータル133トリオのデータを創出)。 また、50サンプルにおいてはC4を含むlong read sequencingを行い、日本人のreferenceパネルのドラフトを作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
C4遺伝子多型(2個のisotype: C4A/C4B、それぞれlong/shortのins/delとコピー数変異 (CNV)あり)を59トリオサンプルで確定させた。すなわち、既存のトリオサンプルのDNAを用い、デジタルPCR法によるC4A/BおよびCNVの遺伝子型を決定し、Phasingを行った。昨年度までと合わせ、133トリオのデータを取得している。 また、50サンプルにおいてはlong read sequencingを行い、日本人のreferenceパネルのドラフトを作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、digital PCRとlong read sequencingの結果をもとに、referenceパネルを作成し、全ゲノムSNP解析の結果に適合することで、GWASデータからimputationが行える情報を創出する。 また、死後脳サンプルは、DNAの精度から解析が難しいことがわかっており、その最適化を継続する。 最終的には、全ゲノムSNP解析のデータを持つ日本人統合失調症サンプルおよび双極性障害サンプルに適合し、とC4の関連を検討する。さらには、その他多くの疾患との関連も検討する予定である。
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