研究実績の概要 |
本年度は、モデルマウス(Ikf3 G158R, N159S, G158R/N159S及びIkzf1 N159S)を更にフォローをしたが、腫瘍発生には至っておらず、何らかのtriggerが必要と考えた。これらのモデルマウスにおいては、胸腺細胞等を用いた網羅的なChIPseqを実施した。Ikzf1 N159Sマウスについては、骨髄造血幹細胞等の検討も開始し、NICER法を用いた遺伝子修正が造血幹細胞特性に及ぼす影響の検討も開始した。これらの解析から、変異IKZF1、変異IKZF3のネオモルフ機能については深く検討できるデータを蓄積しつつある。 一方、N380H, R214Xという新たなIKZF3 variantが国際共同研究から明らかになり、共に特徴的な自己免疫系の表現型を呈していることが明らかになった(未発表)。さらにG191R変異は重症感染症となっており(私信)、これらのvariantについての機能解析を実施することにより、IKZF3各変異の機能的差異についてデータが蓄積しつつある。 Split GFP、Split BioID系を使ったIKZF1 homodimer, IKZF3 homodimer, IKZF1/IKZF3 heterodimerの機能差異解析、タンパク相互作用解析は、基礎的な検討段階となっている。実際には、Split GFP系や接着細胞までworkしていたが、リンパ球系細胞株でのGFP reconstitutionは条件検討を重ねているところである。Split BioID系も浮遊系細胞での、高導入効率、低バックグラウンドの達成に難渋している。そのためFluoppi(理研宮脇博士開発)によるphase separation系の導入を考慮しているところである。
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