肝がんにおいて、抗原特異的T細胞に影響を与える因子を明らかにすることによって、新規免疫療法開発につながるための研究を実施した。本研究では以下の成果が得られた。1)抗原特異的T細胞レセプター(TCR)を有する遺伝子改変T細胞の作製方法を確立した。2)長期生存が得られた患者の末梢血リンパ球を用いて、単細胞発現遺伝子解析を実施し、肝癌に特異的なTCRを有するT細胞の免疫記憶や疲労抵抗性に関与する分子を同定した。3)T細胞と他の免疫細胞の相互間作用に関する研究において、C型肝炎ウイルス排除後に生体に生じる肝がんに対するT細胞の免疫応答の変化を明らかにした。
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