研究課題
研究初年度(令和3年度)に樹立した、内因性のⅠ型コラーゲンα2鎖遺伝子の制御下にタモキシフェン依存的にCre組換え酵素を発現するCol1a2-CreERマウスは、GFP-floxマウスと交配することで肝線維症の改善に伴って脱活性化した星細胞の組織内局在と形質の変化を明らかにするトレーシング用マウスとして期待された。しかしながら、皮膚組織などと比較して、線維肝組織においては充分なGFP蛍光を検出することができなかった。そこで、研究の最終年度となった令和5年度には、新たに理研バンクから譲渡されたmTFP1-floxマウスとCol1a2-CreERマウスを交配し、タモキシフェン投与により任意のタイミングでコラーゲン産生細胞をmTFP1標識することが可能なマウスを作出した。このマウスに対して四塩化炭素の反復投与により肝線維症を誘導した上でタモキシフェンの投与を行い、その後に四塩化炭素の投与を中止して、脱活性化した星細胞の肝組織内の挙動について解析を行った。その結果、肝線維化進展期には線維束に沿って存在していた紡錘形のmTFP1陽性細胞は、四塩化炭素投与中断後の線維化改善期には肝小葉内に広く分布し、静止期星細胞様の細長い突起を有する細胞へと形態の変化が認められた。また、肝線維化の進展期ならびに改善期の肝組織をコラゲナーゼ・プロナーゼ灌流により消化し、FACSによりmTFP1で標識された星細胞の分離を行った。次いで、これらmTFP1陽性細胞をsingle cell RNA sequencing解析に供し、活性型ならびに脱活性化星細胞のクラスター分布と、それぞれのクラスターを形成する細胞の遺伝子発現プロフィールを明らかにした。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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肝臓
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医学のあゆみ
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Drug Delivery System
巻: 38-4 ページ: 190-196
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