研究課題
近年2型糖尿病患者では、動脈硬化性心血管病に加え、心不全を非常に多く合併することが注目されるようになってきた。本課題研究では、糖尿病に伴う代謝異常や糖尿病性細小血管傷害などが、いかに心機能の低下に関与しているのかの機序について検討を加える。その中で特にインクレチンやグルカゴンと 毛細血管機能、 血管新生機能に着目して研究と新規治療法の開発を目指している。グルカゴン関連ペプチドは、心筋や血管内皮細胞にも受容体が存在しており、直接的な効果が期待されている。また、グルカゴン関連ペプチドにより血管新生を惹起できることが報告されており、グルカゴン関連ペプチドと糖尿病性毛細血管障害の関連性が注目されている。 我々はグルカゴン・GLP-1両欠損マウスを入手し研究を行い、その結果興味ある知見を得たので現在論文を投稿中である。また、我々は新規アディポカイン・マイオカインを複数同定しており、これらが虚血部血管新生作用や抗心不全作用を有していることも報告した。たとえば、心筋虚血マウスにおいて、オーメ ンチンは心筋保護作用を示した(Ito M. et al. Circ. Rep. 2023;5:46-54.)。またアディポリンは、インフラマソーム経路を抑制することで、腎臓障害を抑制した(Fang L. et al. iScience. 2023;26(5):106591)。今後は、糖尿病とクローン性造血と心不全の関連性についても検討予定である。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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