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2021 年度 実績報告書

テロメスキャンによる高感度血中循環腫瘍細胞測定の実用化臨床研究

研究課題

研究課題/領域番号 21H02928
研究機関順天堂大学

研究代表者

十合 晋作  順天堂大学, 医学部, 准教授 (80365634)

研究分担者 高橋 和久  順天堂大学, 医学部, 教授 (80245711)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード肺がん / 血中循環腫瘍細胞 / バイオマーカー
研究実績の概要

がんの死因の約90%は原発巣から他臓器への転移に起因する。血中循環腫瘍細胞(CTC)はがん原発巣から遊離し血流に乗って全身を循環するがん細胞であり、がん転移・再発の直接原因と考えられ、臨床マーカーとして注目されている。しかしながら、CTCは非常に希少な細胞で、血液10mL中に数から数十個程度しか存在せず、いかに効率的にCTCを検出・単離し、詳細な解析へと発展させることができるかが大きな課題である。本研究では、高効率なCTC検出システムの構築並びに早期診断・臨床バイオマーカーとしての有用性を証明することを目的とする。特に、悪性度に関連する上皮間葉転換(EMT)を生じたCTCや免疫逃避マーカー(PD-L1)を発現するPD-L1-CTCの表現型解析に着目する。2021年度は1)医師主導前向き臨床試験(2021年12月完了)の実施及び解析、2)汎用的な濃縮技術の開発を目的とした。1)前向き臨床研究では進行非小細胞肺がん患者(99例)を対象として標準治療前後及び再発時にテロメスキャンを用いたCTCモニタリングを行い、奏効/耐性/再発予測のバイオマーカーとしての有効性を解析した。その結果、本CTC検出システムはフェノタイプを含むCTC(CTC/PD-L1-CTC/EMT-CTC)を高感度に検出でき、一部のCTCフェノタイプ数と治療予後の増悪と再発には関連があった。また、2)従来濃縮法の課題を解決するため、濃縮原理を変更した新濃縮法の開発にも取り組んだ。開発した濃縮法は汎用的であり、従来よりもハイスループット化できている。また、濃縮不良もなく、肺がんに加えて他がん種への適応も期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスの感染拡大による影響に伴い、研究協力者(被験者)となる肺がん症例およびコントロール比較となる症例の入院、外来患者が減少し、感度・特異度検証に予定した症例数獲得が遅れている。

今後の研究の推進方策

非がん患者検体から偽陽性細胞が検出されており、特異度が低いという課題が残る。更なる感度、特異度向上に向け、新たなアプローチを試みる。新濃縮法を用いて肺がん、非がん検体での解析を続け、症例数を蓄積する。CTC/PD-L1-CTC/ PD-L1-EMT-CTCの測定が、単にCTCの計数のみならず、より鋭敏な臨床経過を予測可能なマーカーとなる意義を立証する。

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公開日: 2023-12-25  

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