本研究は、骨髄内の造血幹細胞の細胞運命決定を明らかにするために、in vivoイメージング技術を駆使した。特に、多光子レーザー顕微鏡を用いて骨髄内の造血幹細胞やニッチ細胞の動態を時空間的に観察する技術を確立した。初年度には、生体骨髄内の各種ランドマークおよび造血幹細胞の同時可視化を達成し、第二年度には、定常時の造血幹細胞の時空間動態を詳細に解析し、ニッチの一つ、骨髄神経のマッピングを行った。最終年度には、慢性ストレス負荷時の造血幹細胞の時空間動態を解析し、ニッチ内のp53遺伝子の役割を見出した。これらの成果により、造血幹細胞の幹細胞性がニッチ細胞によって精緻に調節されることを明らかにした。
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