研究課題
制御性T細胞(Treg)は免疫反応を広範に抑制するサブセットで、RAではTregの機能低下が報告されている。ゲノムワイド関連解析(GWAS)およびexpression Quantitative Trait Locus(eQTL)を用いた研究では、RAにおいてTregのeQTL効果が高く、疾患活動性と相関することが報告されている。しかし、RAにおけるTregと加齢の関係については未だ明らかになっていない点が多い。我々は未治療RA患者および健常者の末梢血単核球(PBMC)を用いてTregのCD4+T細胞中の割合をフローサイトメトリー(FCM)で解析した結果、興味深いことに発症年齢との有意な相関が認められたが、他のT細胞サブセットでは変化が認められなかった。また、当研究室で開発したGlucose-6-phosphate isomerase (GPI)誘導関節炎(GIA)モデルを用いた若齢(8週齢)および高齢マウス(14月齢)の解析では、関節炎極期において、高齢群で関節炎スコアが有意に高く、高齢群ではリンパ節(LN)中のTregの割合が有意に高く、血中IL-6の増加が認められた。抗CD25抗体を用いて若齢および高齢マウスでTreg枯渇を行い、GIAを誘導したところ、高齢マウスでは関節炎の悪化を認めなかったが、若齢マウスで著明な関節炎の悪化を認めた。以上の結果から、RAおよび動物モデルに共通して加齢によるTregの割合増加が認められ、動物モデルの解析からTregの機能低下が関節炎悪化の原因である可能性が示唆され、その機能低下の意義に関して論文を投稿中である。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Clin Exp Immunol.
巻: 215 ページ: 302-312
https://tsukuba-rheumatology.jp/