研究課題
【研究課題1】ウイルスペプチド/HLAを認識する高親和性TCR様抗体のBiTE作製と評価:前年度に取得したウイルスペプチド/HLAを認識する高親和性TCR様抗体を用いてBiTEを作製し、機能を評価した。BiTEは、TCR様抗体(BRLF1p/HLA-A24抗体)と抗CD-scFvのキメラ蛋白(BRLF1p/HLA-A24抗体/CD3 BiTE)を作製した。機能評価はHLA24陰性の末梢血CD3+リンパ球と標的細胞(あらかじめBRLF1pをパルスしたルシフェラーゼ発現型T2-A24細胞株(BRLF1p/T2-A24-Luc)を共培養し、Luc蛍光を測定して傷害活性を評価した。その結果、我々が作成したBiTEは標的細胞を傷害することが実証され、取得した高親和性TCR様抗体のBiTEが将来臨床応用される可能性が示唆された。【研究課題2】健常人・新型コロナ感染患者のウイルスペプチド特異的T細胞の同定:宇高らは、先に作製したHLA-A*24:02結合性ペプチド予測プラットフォームを用いて、新型コロナウイルスのスパイク蛋白由来ペプチドを複数予測することに成功した。その結果、新型コロナワクチン接種健常人あるいは感染者の末梢血T細胞からコロナウイルスペプチド特異的キラーT細胞を効率的に取得できる可能性が示された。さらに、MHC class II分子へのペプチドの結合活性を測るための技術を新しく樹立して、HLA-DRB1*04:05、DRB1*08:03について、任意のペプチドの結合値を予測する自動予測プラットフォームの作製に成功した。その結果、コロナウイルス特異的キラーT細胞のみならず、コロナウイルス特異的ヘルパーT細胞のTCRの効率的取得への道が世界に先駆けて開けた。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件) 学会発表 (9件)
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