糖尿病の患者数は世界全体で増加を続け、本邦においても予備軍も含めた患者総数は2,000万人以上と推計され、その約90%が2型糖尿病と考えられている。また、本邦では世界で5番目に多くの糖尿病に関わる医療費が費やされている。近年、2型糖尿病に対する複数の新規薬剤が登場しているが、インスリン注射療法を必要とする患者は依然多く存在し、新規の機序で血糖値を低下させる薬剤の開発が必要とされている。本研究で見出された膵β細胞に対する増殖促進作用を有する低分子化合物を用いて、膵β細胞の数を増やすことによってインスリン分泌量を増やす新規治療薬の開発が期待される。
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