ES細胞より作製した小腸組織(ミニ腸)を利用した短腸疾患治療技術を確立するとともにミニ腸を加工した細胞組織を免疫不全マウスへ移植し生着したミニ腸の特性を評価するため、細胞シート形状ならびに粘膜上への移植を試みた。 移植したミニ腸の成熟化におけるホスト由来血流の影響を評価するために、大網部へミニ腸を移植すると移植2日目には移植下層部にヒト間葉陽性(Vimentin陽性)が一定の厚みを持った組織を構築しその上にヒト上皮陽性(Pan-CK陽性)が組織化された。またミニ腸由来組織内部には微量ながらマウス由来の血管組織並びに血球細胞が浸潤する様子が確認できたものの、粘膜突起の成熟にまでは至らなかった。 次に短腸モデルマウス生存性を向上させるために小腸のおおよそ60%の長さを切除後に皮下に温生食を一定量投与する群ならびに非投与群を比較した結果、皮下注射を実施することで安定的に短腸モデルマウスの生存を確認した。
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