研究課題
近年、細胞に新たな治療機能を搭載し、疾患の原因制御を目指す、「デザイナー細胞」医薬品の開発が大きく注目される。「デザイナー細胞」開発の一領域として非自己の細胞の利用を可能にすることが極めて重要な課題となっている。研究代表者らは難治性腫瘍のT細胞輸注療法に用いる 輸注T細胞の内因性T細胞レセプ ターやMHC発現を抑制し、移植片対宿主病(GVHD)や拒絶反応を軽減する「ステルスT細胞」技術の開発を進めてきた。本研究ではこれまでの研究を発展させ、CD4陽性T細胞、貪食細胞、NK細胞を含む広い免疫系からの攻撃を避けることが可能になるようステルスT細胞のステルス性を向上させる。さらに、遺伝子改変方法について siRNA付与独自開発ベクターを用いる事により独自性を担保した非自己デザイナーT細胞を開発し、難治性腫瘍に対する新規で有効な遺伝子改変T細胞療法 の臨床試 験実施に繋げることを目指す。また、フェロトーシス誘導剤と非自己デザイナーT細胞との併用により、腫瘍不均一性を克服した非自己デザイナーT細胞 によるT細胞輸注療法を開発することを目指す。2023年度には以下の研究実績が達成された。(1)非自己デザイナーT細胞とフェロトーシス誘導剤との併用によって、腫瘍不均一性を克服したT細胞輸注療法を開発する目的で、様々なヒト腫瘍細胞株においてデザイナーT細胞が産生するサイトカインとフェロトーシス誘導剤との併用による細胞死誘導増強効果を確認した。(2)昨年度作成したGPX4強制発現非自己デザイナーT細胞において、フェロトーシス誘導剤への抵抗性を検討した。(3)NOGマウスを用いたインビボ評価系において、非自己デザイナーT細胞とフェロトーシス誘導剤との併用による抗腫瘍効果を検討した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cancer Science
巻: 114 ページ: 4172-4183
10.1111/cas.15954
https://www.med.nagasaki-u.ac.jp/m-oncology/