• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

重粒子線照射の膵癌細胞死・免疫応答分子機構解明と外科治療への応用展望

研究課題

研究課題/領域番号 21H03011
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

藤元 治朗  兵庫医科大学, 医学部, 特別招聘教授 (90199373)

研究分担者 山上 裕機  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
鈴木 修  大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (30644778)
筒井 ひろ子  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40236914)
小川 和彦  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40253984)
林 和彦  大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (70718981)
波多野 悦朗  兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80359801)
里井 壯平  関西医科大学, 医学部, 教授 (90340695)
江口 英利  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90542118)
皆巳 和賢  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90634593)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード重粒子線治療 / 膵癌 / オートファジー
研究実績の概要

膵癌に対する重粒子線治療(以下、CIRT: carbon ion radiotherapy)による細胞・分子生物学的研究を実施した。7種類の培養膵癌細胞(MIA PaCa-2、BxPC-3、PANC-1、HPAF-II、KMP-3、KMP-4、KMP-5)を用いて、まずは培養による腫瘍増殖速度、形態より3種の細胞(MIA PaCa-2、BxPc-3、Panc-1)を本研究に妥当な細胞と同定した。それぞれにCIRT(HiLET、2Gy、4Gy)を実施、clonogenic assay、FACS解析を実施した。細胞死の形態はおもにapoptosisであった。一部生存癌細胞を解析するとautophagy機構が働いており、がん細胞にとってはCIRTなどのストレス不可状態ではautophagyは癌にとってsurvival signalであることが想定された。autophagy阻害剤であるHCQ(キニーネ)を投与してCIRTを実施するとautophagyの指標であるp62, LC-3の発現が抑制され、細胞死は著明となった。また、マウス膵癌細胞株Pan-02を用い、in vivoでもこの現象は証明できた。このことより、CIRTを実施しても生存する細胞群があるが、autophagy抑制により細胞死は顕著となり、HCQはマラリア治療薬として臨床で使用されている薬剤であり、将来的に膵癌のCIRT治療に使用され、効果を上げる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

膵癌細胞に対するCIRTの基礎研究はこれまでに報告がされていない新たな分野であり、in vitroで細胞死の分子機構が得られた。またautophagy機構とその制御による結果も得られたことは大きな進展と考える。次年度は免疫系の関与に研究を進展させたい。

今後の研究の推進方策

次年度はマウス膵癌細胞Pan-02にCIRTを実施、未照射群とCIRT群をシンゲニックマウスに移植、免疫応答を研究する。DC、CD4-Tcell、CD8-Tcell、PDL1を中心としてin vivoモデルにて解析を実施予定とする。

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi