研究分担者 |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 学長特命教員(特別顧問) (20191190)
鈴木 修 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (30644778)
筒井 ひろ子 兵庫医科大学, 医学部, 客員教授 (40236914)
小川 和彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40253984)
林 和彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (70718981)
波多野 悦朗 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80359801)
里井 壯平 関西医科大学, 医学部, 教授 (90340695)
江口 英利 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90542118)
皆巳 和賢 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90634593)
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研究実績の概要 |
膵癌細胞に重粒子線(以下CIRT)を実施、照射された膵癌細胞における細胞死機構を検討した。細胞死形態はapoptosis, necrosisの双方が存在、apoptosisが優位であった。低線量照射では細胞死を免れ生存する膵癌細胞が認められ、一つの生存機構としてautophagy(以下AP)につき検証した。CIRT下で生存した膵癌細胞ではAPが常に認められた。AP阻害剤であるハイドロキシクロロキン(以下HCQ)をCIRT前に膵癌細胞に投与するとCIRTにより著明にapoptosisの増加が認められた。同系列マウスに移植、in vivoにても同等の結果が得られた。 ヒト膵癌切除標本にてAP, apoptosis/necrosisの有無を免疫染色にて検討した。①手術単独群(US)、②術前化学療法+手術群(NAC+S)、③ NAC+CIRT+S群。①では切除標本では癌細胞はほぼすべて生存、②では多くはapoptosisに陥っているがAPも多く認められた。③では生存癌細胞はほぼ認められなかった。よりNAC+CIRTの効果を促進させるにはNACのあとAP阻害剤の使用が有効であると考察される。AP阻害剤は現在臨床ではハイドロキシクロロキン(抗マラリア薬)、プラニケル(リウマチ治療薬)など使用されており、有望な候補と思われる。 さらに研究を進め、HCQ+CIRT膵癌細胞を同系列マウスに移植、免疫反応を検討すると、著明なanti-cancer immunityが観察されている。現在regulatory T cell, DC cell, TCR発現、PD1/PDL1発現、CD8 T cellの発言を解析中である。今後はこのCIRTによる免疫減少を基にabscopal効果の有無の検証を実施する予定である。
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