敗血症に関連する脳機能障害には、脳内ミクログリアの活性化が関与する。治療介入可能な発症メカニズムの解明につながる基礎研究として、TSPOに着目しKOマウスを利用するなどして、ミクログリアなどのミトコンドリア機能に介入するモデルを解析してきた。本科学研究費の成果として、研究分担者の研究室で主に行った研究をもとに、1つの総説、2つの原著論文が発刊された。さらなる展開が模索されている。 また、臨床上脳波の異常が早期の脳機能障害発見に有用と想定される。集中治療室での脳波解析を具体的に実行してきた。フーリエ解析をMatLab上で行うこと、またパワースペクトラム密度解析を進めた。夜間の脳波パワースペクトラム密度に特徴的な変化を見つけており、これがせん妄や睡眠障害とどのように関連するか、現在解析中であり、これに関して一つの総説を執筆した。 さらに、本研究費で新たに購入した器具を用いて、誘発電位による脳波の測定を行っている。測定部位や集中治療室での安定した測定を模索する予備実験に時間を要している。2024年度での成果の達成を目指している。
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