本課題では前課題までの成果に基づき、1)グリオーマ幹細胞特異的脆弱性に着目した選択的殺傷薬の開発・差分的発現分子の同定、2)幹細胞性抑制・分化誘導薬開発に資するJNK経路阻害法の探索、3)殺傷薬と分化誘導薬の併用効果の検証、をキーワードに検討を行なった。その結果グリオーマ幹細胞では葉酸代謝関連タンパクが高発現し葉酸代謝拮抗薬メトトレキサートが選択的幹細胞殺傷薬となること、さらには分化誘導薬との併用が有用であることを明らかにした。加えて、グリオーマ幹細胞で高発現するホスホリパーゼCεがJNKを介して幹細胞性の維持に寄与しておりグリオーマ幹細胞選択的JNK経路阻害の優れた標的となる可能性を示した。
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