研究課題
本研究の目的は、我々が先行研究において新規に同定した血管奇形原因遺伝子変異(GJA4 c.121G > T (p.Gly41Cys))により血管奇形が形成されるメカニズムを解明することである。ゲノム解析、トランスクリプトーム解析、細胞実験、動物実験やタンパク質構造解析など種々の手法を用いることで同遺伝子変異により病変形成に至る機序を明らかにすることを目指した。B57BL/6マウス受精卵に対しCRISPR/Cas9システムを用いたゲノム編集を行い、全身性Gja4変異ノックインマウスを作製した。ヘテロ接合型変異体では明らかな表現型が観察されなかったが、ヘテロ接合型変異体同士の交配においてホモ接合型変異体の産子が認められず、胎生致死が疑われた。妊娠マウスの帝王切開を行い胎児の評価を行ったところ、E9.5ではホモ接合型変異体に明らかな表現型は認められなかったが、E12.5にはホモ接合型変異体で全身皮膚が赤色調になり、一部の皮膚に異常拡張血管を疑う所見が認められた。E14.5のホモ接合型変異体胎児は既に死亡していた。以上の結果から、Gja4 c.121G>Tはマウス生体内において有害であり、胎生中期に血管形成障害を惹起することによりマウスを死亡させることが示唆された。変異によりこのような表現型に至るメカニズムを解明するため、同マウスの組織学的解析を開始した。
2: おおむね順調に進展している
動物実験により新たな知見が得られている。
動物実験をさらに進め、詳細な解析を行う。
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