研究課題/領域番号 |
21H03042
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
藤井 幸彦 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40283014)
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研究分担者 |
棗田 学 新潟大学, 脳研究所, 助教 (00515728)
五十嵐 博中 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20231128)
柿田 明美 新潟大学, 脳研究所, 教授 (80281012)
田井中 一貴 新潟大学, 脳研究所, 教授 (80506113)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | グリオーマ / 7T-MRI / 組織透明化 / 微小環境 |
研究実績の概要 |
悪性神経膠腫の新しい治療開発の標的として、腫瘍微小環境が重要である。しかしその微小環境は、個々の患者により大きく異なり、また免疫応答が多大なる影響を及ぼすため、実験系で再現することは極めて困難である。 そこで、本研究では、個々の患者の実際の摘出悪性神経膠腫組織の微小環境の可視化を目指す。すなわち、本研究は、術前に、7T-MRI詳細画像法を用いて、個々の脳腫瘍の微小構造の描出し、摘出脳組織を、術後にCUBIC法にて透明化した上で、腫瘍微小環境を3次元的に可視化し、病理学的に詳細解析する、新規治療法の開発を目指した、世界初、かつ実現可能な腫瘍微小環境の3次元可視化プロジェクトである。 昨年度は悪性神経膠腫患者において悪性度や病理診断を予測し、微小環境を可視化するのに最適な7T-SWIの撮像法、後処理の方法を確立し、論文報告した(Natsumeda, Kakita, Igarashi, Fujii, et al. AJNR, 2022)。また、CUBIC法を用いた悪性神経膠腫組織透明化の方法も模索し良好な結果を得られましたが、シート型顕微鏡の故障のため、微小環境の3D免疫染色化学の解析には至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度には悪性神経膠腫微小環境を可視化する最適の7T-MRIの条件設定を行い、AJNRに論文報告した。また、脳腫瘍摘出組織のCUBICを用いた透明化技術の確立も順調に行われた。シート型顕微鏡の修理も完了した。
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今後の研究の推進方策 |
7T-MRIの撮像条件および組織透明化の条件が最適化され、また故障していたシート型顕微鏡の修理も完了した。今年度は、透明化した摘出組織の3D免疫染色を行い、悪性神経膠腫微小環境を可視化する。
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