研究課題/領域番号 |
21H03048
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高畑 雅彦 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (40374368)
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研究分担者 |
村上 正晃 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00250514)
津田 真寿美 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (30431307)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Siglec-15 / 免疫チェックポイント |
研究成果の概要 |
破骨細胞に発現しその分化に必須の共刺激経路を賦活化する免疫受容体シグレック-15を介した末梢性免疫寛容誘導機構の存在について検討した。その結果、破骨細胞に発現するSiglec-15は、T-cellの活性を抑制することを明らかにした。次に、破骨細胞の分化や機能が抑制されるSiglec-15欠損マウスにおいて関節炎モデルでは多数の破骨細胞が誘導され、炎症性骨破壊は抑制されないことを明らかにした。この機序のひとつとしてSiglec-15欠損破骨細胞では、過剰な破骨細胞が誘導されても、Siglec-15を介した免疫抑制がかからず、強い炎症が惹起されるためであることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
骨代謝学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Siglec-15は破骨細胞の最終分化を制御する免疫グロブリン様受容体であり、骨粗鬆症の治療標的候補のひとつである。Siglec-15は腫瘍関連マクロファージにも発現し免疫チェックポイント分子として抗腫瘍免疫応答を抑制することから、転移性骨がんにおいては骨の破壊抑制とともに、がん免疫賦活化効果も見込めるDual effectの期待できる治療標的といえる。しかし、炎症性骨破壊に対しては、本来過剰な骨破壊から骨を守るための機構と考えられ、これを治療標的としてしまうと免疫を抑制する効果が減弱することが示された。抗Siglec-15療法の開発、臨床応用を考える上で重要な事実を明らかにした。
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