骨粗鬆症の患者数ならびに脆弱性骨折の発生数は増大の一途を辿っている。すでに多くの骨粗鬆症治療薬が開発・上市されているにも関わらず、このような傾向が持続している事実から、新たな骨粗鬆症の発症機序の解明に基づく治療法の開発が必要と考えられた。今回、Enpp1欠損マウスを用いた解析により、異所性の石灰沈着が骨密度低下の直接の原因となり得ること、全身的な老化を含めた骨密度制御が、関節軟骨に発現するEnpp1によって担われているという新しい概念を見出した点で学術的意義がある。また、今後の新たな骨粗鬆症治療薬を開発するための機序を解明した点で、社会的にも意義があると考えている。
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