研究課題/領域番号 |
21H03065
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
安西 尚彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70276054)
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研究分担者 |
坂本 信一 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (70422235)
市川 智彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20241953)
金田 篤志 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (10313024)
川上 英良 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (30725338)
落谷 孝広 東京医科大学, 医学部, 教授 (60192530)
花岡 英紀 千葉大学, 医学部附属病院, 教授 (80361426)
前田 敏郎 千葉大学, 医学部附属病院, 特任教授 (80278027)
大内 基司 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20409155)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | トランスポーター / 泌尿器科がん / 分子標的創薬 / リキッドバイオプシー / AI |
研究実績の概要 |
本研究は、がん特異的な必須アミノ酸トランスポーターであるLAT1阻害剤の泌尿器科がんへの作用に対する臨床試験実施を視野に、Liquid BiopsyとAIを活用した泌尿器科がん関連トランスポーターの網羅的探索と同定分子を標的とする創薬を行うことを目的としている。メインとする「Liquid Biopsyを活用した網羅的トランスポーター解析」に関しては研究分担者である東京医大の落谷教授の研究室に派遣されている研究協力者である院生の田村が、前年度に成功した治療抵抗性前立腺癌患者の血漿からExosomeから抽出したRNAにおけるLAT1発現同定に関し継続的な解析を実施した。「トランスポーター阻害薬適応患者選定のための網羅的分子マーカー同定」に関しては研究分担者の坂本が前年度に取得した患者予後予測因子となりうる網羅的な遺伝子変異候補探索の基盤データのブラッシュアップのために引き続き次世代シークエンサー(NGS)を用いたcfDNAの解析を継続している。今年度の大きな成果としては研究分担者である人工知能(AI)医学の川上教授の研究室との共同研究で研究協力者である齋藤心平が、ランダム サバイバル フォレスト (RSF) とサバイバル ツリーを使用する機械学習を使用して、前立腺がん患者340 人の診断時年齢、末梢血および尿検査から得られた縦断的データに基づいて、前立腺がん患者の新しい予後予測モデルを構築に成功したことが挙げられる。これにより次年度のさらなる研究の継続に繋がる成果が得られたと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メインとする「Liquid Biopsyを活用した網羅的トランスポーター解析」に関しては研究分担者である東京医大の落谷教授の研究室に派遣されている研究協力者である院生の田村が、前年度に治療抵抗性前立腺癌患者の血漿からExosomeから抽出したRNAにおけるLAT1発現の同定に成功しており、「トランスポーター阻害薬適応患者選定のための網羅的分子マーカー同定」に関しては次世代シークエンサー(NGS)にてcfDNAの解析を研究分担者の坂本が取得した、患者予後予測因子となりうる網羅的な遺伝子変異の候補探索の基盤データをもとに更なる探索を進めている。前年度の課題であった「分子標的創薬を目指す化合物ライブラリースクリーニング」に関しては、今年度も標的とする新規トランスポーターX(NTRX)の具体化までには至らず、この点は引き続き次年度に実施するものの、今年度は研究分担者である人工知能(AI)医学の川上教授の研究室との共同研究で研究協力者の齋藤心平が、ランダム サバイバル フォレスト (RSF) とサバイバル ツリーを使用する機械学習により、前立腺がん患者340 人の縦断的データに基づき、前立腺がん患者の新しい予後予測モデルを構築に成功したことが特記事項として挙げられ、次年度への展開が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
「Liquid Biopsyを活用した網羅的トランスポーター解析」に関しては引き続き研究分担者である東京医大の落谷教授の研究室にて研究協力者である院生の田村が、治療抵抗性前立腺癌患者の血漿からExosomeから抽出したRNAにおける新規トランスポーターX(NTRX)発現の同定を目指す。「トランスポーター阻害薬適応患者選定のための網羅的分子マーカー同定」に関しては研究分担者の坂本が次世代シークエンサー(NGS)によるcfDNAの解析結果からえられた基盤データの解析を継続し、前年度からの継続プロジェクトである「分子標的創薬を目指す化合物ライブラリースクリーニング」に関しては、引き続き新規トランスポーターX(NTRX)の具体化を目指す。今年度、研究分担者の川上教授のもとで研究協力者である院生の斎藤が実施した、前立腺がん患者340 人の縦断的データに基づく機械学習により構築に成功した、前立腺がん患者の新しい予後予測モデルの妥当性の評価を行うとともに、患者のより正確な予後リスク評価と、その後の治療選択への有効性を検討する。
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