研究実績の概要 |
本研究では、独自開発の改変型AAVベクターとiPS由来疾患モデル細胞(特許出願済)を用いた遺伝性難聴への内耳AAVゲノム編集技治療法の開発研究である。標的とするのは遺伝性難聴最大の原因遺伝子GJB2(コネキシン26)の遺伝子変異であり、変異ゲノムの修復による根本的治療法を開発する。本研究の特色は蝸牛上皮全般への遺伝子導入が可能な独自開発の新型ベクターを用い、日本人の典型的GJB2変異を持つ患者iPS由来モデル細胞および対応するCX26変異モデルマウス(GJB2-KO, GJB2-R75W-Tg, GJB2-KI)へのゲノム編集により遺伝子修復を行う内耳AAVゲノム編集治療の確立を目指す。 本年度は、GJB2-KI(変異ノックイン)マウス作製とin vitroでの病態再現を目的としたマウスES細胞へのゲノム編集を行い日本人における3大GJB2変異とされる3種の典型的変異を導入したES細胞クローンを作出した。同細胞の分化誘導により異常ギャップ結合プラークをin vitroで再現することが確認された。現在、治療用のゲノム編集実験を目的として同ES細胞クローンを用いたGJB2-KIマウスの個体作出が進んでいる。
|