研究実績の概要 |
2023年度では、骨に埋没した骨細胞がRANKLを発現し破骨細胞を制御するメカニズムを探索し、骨細胞特異的なエンハンサーと当該領域に結合する転写因子群を同定し、骨細胞の老化や細胞死のシグナルがRANKL発現誘導を介して骨リモデリングの引き金を引くことを解明した(Yan, Tsukasaki* et al., Bone Res 2023)。また、歯周炎の骨破壊において、好中球と骨芽細胞のサイトカインOSMを介した連関が重要であることを見出した(Ando, Tsukasaki* et al., IJOS 2024)。さらに、申請者が確立した骨膜細胞を欠損するマウスモデル(Tsukasaki et al., Nature Communications 2022)を使用し、骨膜細胞が腫瘍の浸潤を抑制することを発見し、現在論文投稿中である。 破骨細胞のシングルセル解析のデータ(Tsukasaki et al., Nature Metabolism 2020)から、破骨細胞分化ステージそれぞれに重要と考えられる新規遺伝子候補のリストを作成し、特に分化の最終段階で発現が上昇する機能未知・未命名の新規遺伝子を同定した。当該因子のコンディショナル欠損マウスでは破骨細胞分化が著しく障害されており、その分子メカニズムを継続して解析中である。
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