研究課題/領域番号 |
21H03107
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宿南 知佐 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (60303905)
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研究分担者 |
隅山 健太 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (00370114)
樋口 真之輔 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (20847131)
吉本 由紀 日本医科大学, 医学部, プロジェクト助教 (40735304)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 腱・靱帯 / Scleraxis / エンハンサー / 遺伝子改変動物 / enChIP法 |
研究実績の概要 |
Scx遺伝子を含む10.8 kbのゲノム領域には、腱・靱帯組織特異的な転写制御を担う領域が含まれている。この領域を3分割し、hsp68 minimal promoterの下流にLacZ reporterベクターに組み込み、transgeneを構築し、Transgenicマウス胚を用いてenhancer活性を検証し、Scx遺伝子とその下流を含む5.3 kbに、10.8 kbとほぼ同等の転写制御活性があることを見出した。この領域を更に分割し、活性を有する1.97 kbのenhancer領域を同定した。同様に、minimal promoterを有するpGL4.23ベクターを用いて、培養細胞での解析に必要なベクターを構築した。予測される転写開始点と近傍にあるTATA boxを含む領域をpromoter lessのpGL4.10ベクターに組み込み、培養細胞を用いて、Dual luciferase assayを行って、promoter活性を確認した。同定したpromoter領域の上流を標的とするguide RNAを設計し、In-Fusion法によりpAM_dCas9ベクターに組み込んだ。また、ScxCreマウス、ScxCreERT2マウス、Sox9CreマウスをRosaTomatoマウスと交配し、生後の成長過程におけるScx、Sox9陽性細胞の系譜解析を行うと共に、Scx欠失マウスの下顎骨、頭蓋の縫合部の形態学的・組織学的解析を行った。更に、ScxCre/+;Sox9flox/floxマウスの中には、生後、腱の発育不全を伴う個体が存在することを見出している。in vitroでは、ScxGFP iPSCによる腱細胞分化誘導過程で、シングルセルRNAシークエンス解析を行うことで、腱細胞分化過程における遺伝子の発現動態を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた実験を行い、次年度に向けて必要なデータを集めることが出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
Scx遺伝子の下流に見出した腱・靱帯組織特異的な転写制御を担う1.97 kbのゲノム領域を、更に分割して、活性を有するenhancer領域の絞り込みを行う。Transgenicマウスを効率良く作製してin vivoでのenhancer活性の解析を行うために、hsp69 minimal promoterのLacZ reporterベクターにtol2配列を導入したコンストラクトを用いる。Scxfloxマウスを用いて、Sox9の発現領域でScxを欠失するコンディショナルノックアウトマウスやScxCre/Cre;Sox9flox/floxマウスの解析を進める。
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