研究課題/領域番号 |
21H03116
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
齋藤 正寛 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40215562)
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研究分担者 |
稲垣 雅彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (10356488)
八幡 祥生 東北大学, 大学病院, 講師 (30549944)
山田 聡 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40359849)
田中 志典 東北大学, 大学病院, 講師 (60637958)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 再生医療 / 骨 / 骨芽細胞 / 水平性骨欠損 / 細胞移植 / 足場材 |
研究実績の概要 |
研究代表者はヒト顎骨から独自の酵素消化法にて骨再生医療に特化したヒト未分化骨芽細胞様細胞(Human Alveolar bone derived OsteoBlast:HAOB)の分離培養技術を世界に先駆けて確立してきた。HAOBはあらゆる年代の患者層から採取することが可能な造骨細胞であり、分化誘導することなく移植後に骨形成を誘導することが出来る。一方、産総研と共同で体内にて分解・代謝されるポリ乳酸を主成分とし、HAOBの増殖と骨芽細胞分化に最適となるよう硬さ等を調製した生体吸収性移植材料(綿状PLLA)を開発し、特許を取得している。(特許6901727:歯槽骨由来の未分化骨芽細胞と歯槽骨由来の未分化骨芽細胞用担体との複合物及びその利用、登録日:2021.07.06) これまでの研究で、HAOBは免疫反応のため異種移植では骨形成を誘導出来ないことが判明している。これらの結果から今年度は、マウスを用いてヒト水平性骨欠損を模倣した動物モデルを作成し、in vivoにおいて骨形成能の検証ができる系を確立してきた。この系を用いて、マウス頭蓋冠よりHAOBと同じ手法で得た未分化骨芽細胞(MCOB)を分離培養し、綿状PLLAに細胞を混入させた移植材料(MCOB-綿状PLLA)を顎骨欠損部位へ移植し、骨再生能を検証した。その結果、適応承認品である炭酸アパタイト製品のCytransあるいは綿状PLLA単独移植群と比較してMCOB-綿状PLLAは顎骨欠損部位で良好な骨造成が確認され、MCOBを使用する優位性を証明出来た。これらの研究成果を踏まえて、次年度はマウスモデルにおける再生骨の機能解析、およびHAOBの臨床可能な培地を用いた分離培養技術の開発を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HAOB-3DPLAの規格設定を行うためのマウスモデルによる検証を行えたためである。またHAOBの分離培養技術に関して、臨床応用可能な培地の開発は順調に進んでいるため、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度からは臨床応用可能な培地で分離培養したHAOBを用いて、規格設定、品質管理、安全性試験に必要なレギュラトリーサイエンス研究を開始していく。解析項目としてはFACS解析による表面マーカーの決定および品質管理技術の解析、RNASeqによるHAOB-3DPLAの成分解析を実施する。
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