研究課題/領域番号 |
21H03117
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
野杁 由一郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50218286)
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研究分担者 |
松崎 英津子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (20432924)
竹中 彰治 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50313549)
枝並 直樹 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80804567)
朝日 陽子 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (50456943)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 歯髄復元 / 動物モデル / SCAP / S1P |
研究実績の概要 |
①マイクロCTによる根尖病変部の体積と歯根尖の完成度の経時的変化(野杁、枝並):雄性ウイスター系ラットの1,4,10週齢を用いて、抜髄と同時に根尖孔外血流を根管内に導入し、マイクロ CTと三次元画像解析ソフト、並びに組織学的に評価し、どの週齢のラットが歯髄復元の確率が最も高いか解析中である。この実験で最も歯髄復元の確立が高い週齢のラットを用いて、歯髄失活後の歯髄復元確立についても現在同時に評価中である。 ②歯髄と根尖部の血流量の測定(野杁、枝並、):当初購入を予定していた、マイクロ血流計センサー(FLO-N1:OMEGAFLO・京セラ社)、およびコンピューターベースレーザー血流計(OMEGAFLO-Lab 1ch・OMEGAWAVE)は、業者にデモまで実施させたが、非接触での根尖部血流は測定できないことが明らかとなった。よって現在代替案を検討中であり、マイクロCTによる根尖孔部の3次元解析で代用する案が浮上中である。 ③根尖部SCAPの象牙芽細胞分化に関する in vivo, in vitro 実験(枝並、松崎):根治後0,4,8週に、採取する根尖組織を凍結し(枝並)、冷凍状態で輸送し(新潟大→福岡歯科大)、最終的には濾過しSCAPを単細胞に分離することは、航空事情が回復後実施する。培養後には定量評価する(以降松崎)。その関連遺伝子はリアルタイムPCR解析中である。他方で、株化されたSCAPと、スフィンゴシン-1-リン酸 (S1P)を併用し、分化や代謝への影響等の再性能をin vitroで評価した。骨芽細胞分化マーカーの内Runx2 mRNA発現は、1.7.14日目の何れにおいてもS1Pに影響しなかった。一方で、Matrix extracellular phosphoglycoprotein (MEPE) mRNA発現は、14日目で、S1P添加により著明に増加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた、微小血流測定が購入を予定していた2種の機器マイクロ血流計センサー(FLO-N1:OMEGAFLO・京セラ社)、およびコンピューターベースレーザー血流計(OMEGAFLO-Lab 1ch・OMEGAWAVE)では、どちらも測定不能であることが明らかとなり、代替実験を検討中であるため。
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今後の研究の推進方策 |
マイクロCTを用いた根尖部の3次元的解析により、血流測定の代替実験を行う。他方では、ラットSCAP細胞の単離に世界ではじめて成功するよう実験を推進する。すなわち、組織切片上でSCAPの局在部位を現在確認中である。確認後、ラット抜去歯の根尖よりSCAPを含む細胞を採取した後、FACS等の分離手法を用いて単離し、最終的には研究室で培養したSCAPを用いた、歯髄復元療法の確立をめざす。
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