今後の研究の推進方策 |
幼弱永久歯である5週齢から歯根が完成する10週齢の雄性ウイスター系ラット(各週齢n = 5)の下顎右側第一臼歯を露髄して根尖病変を惹起後、壊死歯髄を除去、洗浄、感染制御し、根尖から1mm程度突出して、出血を誘発し根管に血流を誘導する根管治療を行う。実験スケジュールに従い、以下の①~③項目について検索し、根尖病変のサイズや周囲組織/細胞等やその遺伝子発現の関係を評価し、ラット歯髄復元療法モデルを完成する。 ①マイクロCTによる根尖病変部の体積と歯根尖の完成度の経時的変化(野杁、枝並).根管治療(以下根治)後 0,1,2,3,4,6,8週にマイクロ CTと三次元画像解析ソフト(現有設備)により、 既存の方法に準じて処理・解析する。近心根の病変体積や根尖孔のサイズを各々に算出し、経時的な病変体積の変化と根尖孔サイズの関係を検索する。 ②歯髄と根尖部の免疫組織学的・マイクロダイゼクション(MD)的検索(竹中).根治後2, 3週の各時点で既存の方法に準じて処理する。連続薄切切片の一部はH-E染色るいはBrown-Hopps染色を施し組織学的に、他の一部は、TGF-β, FGFやMsx, Dlx等の特異抗体やプライマーにより免疫組織科学的あるいはMD的 (又はリアルタイムPCR法との複合) 手法にて定性検索する。 ③根尖部SCAPと関連遺伝子等の定量解析と再性能のin vivo, in vitro実験(大倉、松崎). 根治後0,4,8週に、採取する根尖組織を凍結し(枝並)、冷凍状態で輸送し(新潟大→福岡歯科大)、最終的には濾過しSCAPを単細胞に分離培養後、定量評価する(以降松崎)。その関連遺伝子はリアルタイムPCR解析する。当初はラット根尖より単離したSCAPと、スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)を併用し、分化や代謝への影響等の再性能をin vitroで評価する。輸送事故対策あり。
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