研究課題/領域番号 |
21H03136
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30344451)
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研究分担者 |
浅輪 幸世 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (10769912)
疋田 温彦 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (60443397)
西條 英人 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80372390)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 骨再生 / 細胞分離 |
研究実績の概要 |
採取直後のマウス骨髄細胞(未処理)、それを赤血球破砕処理したもの、さらにFicollにより単核球を分取したものについて、前年度の解析結果では、赤血球破砕処理したもので最も骨芽細胞分化能が高く、Ficollで単核球を分取したものにおいて最も低いという結果であった。この結果をさらに検証するために、細胞数をそろえて3群の細胞を播種し、骨芽細胞分化能を比較したが、やはり同様の結果であった。これは、骨芽細胞前駆細胞の基となる間葉系幹細胞はFicollによる単核球分取により濃縮され、骨形成が良好となるという予想に反するものであった。 Ficollにより単核球を分取した群において骨芽細胞分化が低くなる理由については、1.Ficollによる単核球分取では間葉系幹細胞が濃縮されていると仮定していたが、実際は何らかの原因で濃縮されていない可能性、2.間葉系幹細胞以外の細胞が骨芽細胞分化を促進しており、Ficollによる分取でそれらの細胞が失われる可能性、が考えられた。 そのため、まず上記1の仮説について、間葉系幹細胞マーカーであるCD90, CD105等の発現についてフローサイトメトリーでの検証を行った。しかし、採取直後の骨髄細胞は非常に雑多な集団であり、明らかな傾向がつかめなかった。そのため、多重染色による細胞集団の解析を開始している。 また、ハイドロゲルについては、I型コラーゲンとII型コラーゲンの混和物についても検討を進めており、その混合割合を変えた際の細胞増殖能などについて解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は間葉系幹細胞が濃縮された単核球分画で骨形成能が高いことを想定していたが、実際は異なっていたため、この原因の解析を開始した。この解析により、間葉系幹細胞を単に濃縮するだけではなく、他の細胞群の存在が骨形成能を高めることを新たに証明できる可能性がある。優れた骨再生を実現するための細胞群の同定という目標に順調に近づいていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
採取直後のマウス骨髄細胞について、赤血球破砕したもので骨芽細胞分化能が高く、Ficollで単核球を分取したもので低いという結果について、検証を行う。 まず、このin vitroの結果がin vivoでも同様であるか否かを確認するため、これらの細胞群をハイドロゲルあるいはβTCP足場に担持させてマウス背部皮下に移植し、骨形成能を組織学的に評価する。 また、骨芽細胞前駆細胞の基となる間葉系幹細胞の比率について、Flow cytometryでの解析をおこない、その結果と骨芽細胞分化能の相関について検討する。(1)正の相関があった場合には、間葉系幹細胞をCell sorterで分取し、これを教師データとしてGhost cytometerにおいて形態情報を学習させる。次に、目的の細胞群を骨髄細胞からGhost cytometryを用いて分取し、骨芽細胞分化させ、細胞染色やrealtime RT-PCRによる分化マーカーの解析を行うことで、分取した細胞群が分取前の細胞に比較して骨芽細胞分化能が高いことを確認する。さらに、マウスへの移植実験で骨形成能が高くなっていることを確認する。(2)相関がなかった場合には、それぞれの群に含まれる血球系細胞のポピュレーションをFlow cytometryで解析する。骨形成能と特定のポピュレーションの割合の関連に注目し、骨形成に影響を与えていると考えられる細胞集団の候補を選定する。これらの細胞を除去、あるいは加えた際の骨形成能の変化をin vitroおよびin vivoで評価し、骨形成を促進する細胞集団を同定する。Ghost cytometerにより間葉系幹細胞と同定した細胞集団を分取し、様々な比率で混和した状態でin vitroおよびin vivoにおける骨分化能を評価し、最適な細胞比を決定する。
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