研究課題/領域番号 |
21H03138
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
東 みゆき 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (90255654)
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研究分担者 |
池田 通 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00211029)
津島 文彦 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 講師 (90456210)
相田 潤 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80463777)
西井 直人 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (40836285)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 口腔癌 / 免疫 / がん微小環境 |
研究実績の概要 |
がんに対する免疫応答の存在が明確になった現在、治療方針の決定にがん微小環境の免疫プロファイル理解の重要性が高まっている。前年度に樹立した2枚の FFPE切片と10種の1次抗体を使用したマルチプレックス蛍光染色法 (mIF)を用いて、術前治療を受けていない舌扁平上皮癌 (TSCC)の手術切除材料 60例の包括的な免疫プロファイル解析を実施した。免疫細胞サブセットの密度や比率を含む計 58 の免疫パラメータについて組織イメージング解析を実施した。免疫細胞の密度、比率、存在場所は、症例ごとに非常に多様であり、既存の T stagingや病理分類では推測できないことが示された。 T1の早期癌では、 CD163+ M2型マクロファージの密度や比率が進行癌と比較して低値であることがわかり、T1での再発・転移 (R/M)症例では、 M2が有意に高いことが示され、早期癌におけるR/M のバイオマーカーとなる可能性が示された。 さらに、抗 PD-1抗体 (ニボルマブ及びペムブロリズマブ)による免疫チェックポイント阻害剤療法が実施されたが、 SD/PDであった 9例について、手術切除材料で同様のmIF解析を実施したところ、 T3/4進行癌で肉眼視診内向型の6例全てにおいて、免疫細胞浸・ T 細胞・CTL浸潤が低値で、 M2比率が高値であった。 T1 の3例においても、免疫細胞浸潤が少なく、 CTL低値など積極的ながんに対する免疫応答が惹起されていないことが示された。手術時と ICI投与前の再発部位の免疫プロファイルは異なることが考えられるものの、免疫プロファイルを考慮して、 ICI療法あるいは併用療法の選択をする必要があると思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定した後ろ向き研究は順調に進行しているが、前向き研究については、症例数の関係で今後進行速度が遅くなることが考えられる。対象施設を増やすなどの検討が必要かもしれない。
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今後の研究の推進方策 |
ICI投与効果との関連が示唆されている TCF-1+PD-1+ CTLの同定を mIFで検討しているが、使用する蛍光色素と染色順により安定した結果が得られていないので、今後の条件決定が必要である。前半の研究成果論文については、現在 revise 中で、アクセプトされれば、協力機関を増やして、舌癌治療のガイドライン作成に向けて研究を推進したい。
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