研究課題/領域番号 |
21H03162
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 美樹子 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80294099)
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研究分担者 |
祖父江 友孝 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50270674)
大野 ゆう子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 名誉教授 (60183026)
大達 亮 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10760796)
眞浦 有希 滋賀医科大学, 医学部, 客員助教 (40803135)
玉木 朋子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (60755768)
田渕 紗也香 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (50871373)
清水 奈穂美 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (90813022)
三浦 克之 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90257452)
原田 亜紀子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (00451774)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 介護保険 / 看取り介護加算 / 死亡場所 / 医療的ニーズ |
研究実績の概要 |
厚生労働省より匿名介護情報等の提供を受け、解析のためのデータクリーニングとデータベースの構築に必要な技能を習得してデータの分析を進めていく計画であった。解析データについては全国規模の匿名介護情報等の提供を受けたが、受け取り時期が2023年3月下旬となり、2022年度はデータの受け取りの手続きにて終了した。ただし、解析の準備として、2022年度は以下に取り組んだ。1) 介護レセプト情報の解析用データベースを構築するために必要な構造化照会言語 (SQL)を使ったデータハンドリングの技能に関する定期的な勉強会、KUEP-DHI(関西広域医療データ人材教育拠点形成事業)主催のオンライン医療データ取扱体験講座、NDB・DPCデータベース研究人材育成Webinar事務局が提供するオンライン研修に参加した。データベースの構築に必要な構文や手続きについては、データ取扱者間で一定程度の技能の習得ができた。また、2) 解析データの提供時期が遅いことが見込まれたため、新たに厚生労働省に対して匿名介護情報等の「サンプリングデータ」の申請と提供を受けた。これを用いて、データ構造の確認とサンプリングデータによるNCD疫学研究センター内に用意したセキュリティエリア内の解析環境でのデータ取り扱いの運用管理の確認、SQLを用いたデータの抽出やデータベースなど操作の確認を行なった。3) 在宅療養者における看取り期の「relocationがないこと」を高齢者の終末期医療の望ましい評価指標とし、オープンデータより診療報酬の「在宅ターミナルケア加算の対象者に対し、在宅で患者を看取った場合に算定可能な看取り加算(在宅患者訪問診療料・往診料)」と、「看取り加算(入院)」の算定について観察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
最も大きな理由は、申請が承認されてからデータ受け取りまでの待機が長かったことによる。解析に必要なデータが入手できなかったため、新たに「サンプリングデータ」を入手し、このデータの予備的な利用によって、データ受け取り後にスムーズに待機中のデータによる解析に移行できるよう準備を行った。データ申請から提供されるまでの期間は、ガイドラインで示されているよりも相当長くかかっていたが、匿名介護報酬等の申請をしている別の研究者も同じように時間がかかっていることを把握しており、今回の研究に特別な事象ではないことを確認した。 また別の要因としてこちらが作成した申請書類の不備により、その確認や修正のためのやりとりにも時間を要した。完成度の高い申請書類を提出できていなかった点も待機時間が遷延する一因であった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年3月下旬に本研究に必要な全国データが入手できたため、データの構築と解析、研究成果の発表が主な計画である。全国データは、ガイドラインに則って研究を進めていく必要がある。本研究の組織には、多くの分担研究者と大学院生等が参画しており、かつデータ取り扱い拠点が滋賀医科大学と大阪大学の2カ所に跨るため、取扱要領に照らした運用と情報の管理を徹底して行い、研究を円滑に遂行していく計画である。データ公表にかかる手続きに時間を要するため、最終成果の内容に関連する重要な変数から、解析を進めていく。また大津市のデータでは、観察期間中にサービスを終了した者、すなわち看取り介護やターミナルケアといったエンドオブライフ・ケアを受けた要介護高齢者のみならず、それらを受けずに終了した者が含まれているため、後者について、看取り介護加算の算定が可能となる同等の期間(1ヶ月)をどのような介護サービスを受けていたのかについて詳細に検討を行う。またNCD疫学研究センターにて解析する取扱者に大学院生等を追加する。系統的かつ計画的に研究を進めると同時に、定期的な大規模ミーティングと解析テーマごとの小ミーティングを実施し、研究課題を組織的に遂行できる体制下で研究を進めていく。研究成果を国内外の学会や英文誌に発表する。
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