研究課題/領域番号 |
21H03179
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高村 雅之 金沢大学, 医学系, 教授 (60362000)
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研究分担者 |
野村 章洋 金沢大学, 附属病院, 特任准教授 (30707542)
多田 隼人 金沢大学, 附属病院, 助教 (90623653)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 多遺伝子リスクスコア / ゲノム / 心血管疾患 |
研究実績の概要 |
本研究開発の目標は、生まれながらに有する心血管疾患発症リスクのスコア化を行い(心血管疾患多遺伝子リスクスコア:Polygenic Risk Score for Cardiovascular Diseases [PRSCVD])、心血管疾患発症リスクを層別化する新たなマーカーとしての有用性を評価し、さらに、そのリスクを低減しうる後天性環境要因(特定の薬物治療や生活習慣)を同定することである。本研究の中では、2011年に開始された金沢大学・志賀町コホート「疾病罹患の実態と罹患に関連する因子についての調査」を用いて、全ゲノム領域における日本人特有の約67.5万箇所の一塩基多型(SNV)の情報をジェノタイピングし、HapMapリファレンスゲノム配列から、全ゲノム構造を疑似的に再構成(インピュテーション)し、遺伝的連鎖不平衡を加味したPRSCVD算出を行い、PRSCVDを用いた臨床試験の基盤計画を行うこととした。本研究開発は日本人におけるライフステージの早期において評価可能な心血管疾患予防学分野・個別化医療の画期的診断ツールならびに予防戦略開発の契機となりうる。今年度はゲノムコホート参加者に対して日本人ゲノム解析ツール「ジャポニカアレイ」約67.5万箇所のSNVをジェノタイピングしたうえで、HapMapプロジェクト日本人リファレンスゲノム配列を参照し、全ゲノム構造を疑似的に再構成(インピュテーション)作業を行った。また、その過程において、家族性高コレステロール血症の表現型と多遺伝子リスクスコアとの関連を調査し、LDLコレステロール値と関連する高頻度遺伝子多型と家族性高コレステロール血症の表現型との関連を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゲノムコホートに対するジェノタイピングを予定通り行っている。また、研究の過程において、冠動脈疾患だけでなく脂質異常症にも着眼し、LDLコレステロール値と関連する高頻度遺伝子多型と家族性高コレステロール血症の表現型との関連を報告することができた。
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今後の研究の推進方策 |
日本人に特化したPRSCVD算出のため、全ゲノム構造を疑似的に再構成(インピュテーション)後のSNV解析データを、匿名化の上で共同研究機関である理化学研究所 循環器疾患研究チーム(伊藤 薫 チームリーダー:研究協力者)、AMED先端ゲノム研究開発(GRIFIN)東京大学循環器内科(野村征太郎特任助教:研究協力者)とも協力し遺伝的連鎖不平衡を加味したPRSCVD算出を行う。この過程において、白人での解析経験と比較し異なるSNVに強い関連があることが予想される。スコア化スキーム(どのSNVにどの程度の重みづけを割付けるか)を知的財産として特許申請する
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