研究課題/領域番号 |
21H03187
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
菊地 正悟 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40224901)
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研究分担者 |
大崎 敬子 杏林大学, 医学部, 教授 (90255406)
笹平 直樹 公益財団法人がん研究会, 有明病院 肝・胆・膵内科, 部長 (30401102)
米澤 英雄 杏林大学, 医学部, 講師 (60453528)
上野 誠 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (10520760)
中杤 昌弘 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (10559983)
櫻井 美佳 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (80508359)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ゲノムワイド関連解析 / 胆のうがん予防 / Helicobacter属抗体 / 要因の交互作用 / 生活習慣 / 肝外胆管がん / 肝内胆管がん |
研究実績の概要 |
胆のうがんの発がん要因は何か、慢性感染症・生活習慣など環境要因や遺伝的要因は相互にどのように影響し合いながら胆のうの発がんに作用しているかを明らかにする研究である。 1. 遺伝子については、IL1-βなど炎症反応関連遺伝子、喫煙の影響に関連する遺伝子(CYP1A1、GSTなど)、アルコール代謝関連遺伝子(ADH, ALDH2)、肥満関連遺伝子 (FTO) などや、応募者らの研究で膵がんとの関連が明らかになったGP2遺伝子に加え、これまで他部位のがんリスクとの関連が明らかになっている遺伝子を中心に、炎症、解毒・代謝系に関わる遺伝子をリストアップを進めている。 2. GWASは、当初業者委託を予定していたが、データベースの利用などを考慮し、櫻井(分担研究者・東北大学東北メガバンク機構)に加わってもらって実施することとなった。2021年度胆嚢がん検体が155例、対照325例について、GWASの測定を行った。対照は、検出力を考え、余分に測定した。Imputation(測定されなかったSNPの補完)を含めたデータの解析は2022年度に行う計画である。 3. これまで開発したH. bilis とH. hepaticus 抗体で測定した結果を論文として公表した。これらの感染が発がんを促進していることを疑わせる結果であるが、確定的なものとはなっていない。このことから、抗体測定系にについて、改良が必要と考えられ、その方向で研究を進めることとなった。 4. 症例収集施設の倫理委員会等の承認を得て、症例収集を再開している。 5. 班会議をリモートで1回開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度東北大学の分担研究者櫻井が胆嚢がん検体が155例、対照325例について、GWASの測定は終了した。データの解析は2022年度に行う。 検体の追加収集については、施設の倫理委員会等の承認が得られつつあり、一部施設で症例収集を再開している。 腸管Helicobacter属の胆道がんへの関与については、Helicobacter bilisとhepaticusの2種に注目して、これまで成果を論文として公表した。現在抗体検査の精度を上げるところに注力している。
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今後の研究の推進方策 |
胆のうがんのGWASの結果の測定を今年度進める。生活習慣などとの交互作用について、症例数が少ないことを念頭に、少数の変数の組み合わせによる分析を多数行って、可能な限り、発がんに影響する要因の検出を行う。 検討の結果、肝外胆管がん、肝内胆管がんの症例と必要な対照についてGWASを実施することとした。胆のうがんと同様の解析を行う計画である。 腸管Helicobater属との関連については、必要とされているH. bilis 抗体 H. hepaticus 抗体測定の改良を引き続き行って、特異的・高精度な抗体測定を目指す。 施設の倫理委員会等の承認を得て、胆道がんの症例収集を再開している ピックアップした遺伝子の確認や、研究の進め方の確認のため、研究関係者全員による班会議をリモートで年度内に1-2回開催するする計画である。
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