研究実績の概要 |
(1)協会けんぽ秋田支部10万件の女性労働者データーベース分析について、2017年度全国健康保険協会秋田支部の協会けんぽ被保険者医療保険データセット89,725名分と、同年特定健診受診者データセット97,146名分をIDにて突合し欠損値を除き照合した。65歳以上と被扶養者と男性被保険者35,813人を除外し、女性被保険者30,296名でデータセットを組んだ。女性特有の疾患である女性生殖器癌、また月経困難症やPMS、更年期障害を含む月経関連疾患を抽出した。疾病、病害および死因の統計分類(基本分類)ICD-10の月経障害及び閉経周辺期障害(N91-N92, N94.0,N94.3-N95)である。これらの保険疾病名における保険点数が0より大きい場合(=つまり、この疾病名にて何らかの医療行為が行われている)を対象疾患ありと定義した。PMS(c1419)と更年期障害(c1420)の2012年の保険疾病割合が375と473と低かったため、協会けんぽ秋田支部に照会を行った(R4.7月)。結局のところ、データの入力等に誤りはなく、同時に、単年度のみならず、2013~7年までを算出したところ2013年では、534、679、2014年では、529、686、2015年では571、593、2016年では634、586、2017年では、736、665と近似していった(R4.10月)。協会けんぽデータセットが2012年から開始していることを考慮すると、最初の年は解析上注意が必要と思われた。次に、この月経障害及び閉経周辺期障害について職業別(第一次~第三次・女性の多い職場分類等)に有所見割合をカウントし、離職(協会けんぽの資格抹消)との関連を統計学的に検証したところ、職種の影響は離職には関係しないことを確認した。ここから(1)協会けんぽ秋田支部10万件の女性労働者データーベースによる俯瞰的分析では、離職という労働生産性指標と月経関連症状は直接関連しないことを確認した。
|