研究課題/領域番号 |
21H03199
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
三宅 吉博 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (50330246)
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研究分担者 |
田中 景子 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (40341432)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 出生前コーホート研究 / 愛大コーホート研究 / うつ症状 / 環境要因 / 遺伝ー環境要因交互作用 |
研究実績の概要 |
九州・沖縄母子保健研究(出生前コーホート研究)と愛大コーホート研究ベースラインデータを活用して、思春期、周産期、中年層、老年層におけるうつ症状と関連する環境要因と遺伝要因及びそれらの交互作用に関するエビデンスを創出することを目的とする。 令和3年度は、九州・沖縄母子保健研究のデータを活用した英文原著論文3編を公表した。内1編では、母親の妊娠中うつ症状が5歳時における子の行動的問題(情緒問題、行為問題、多動問題、仲間関係問題、低い向社会的行動)のリスク上昇と関連を認め、妊娠中及び産後ともにうつ症状を認めた場合、子の情緒問題のリスクが5倍高まり、仲間関係問題のリスクは3倍高まることを示した。妊娠中のトリプトファン摂取が多いほど、Center for Epidemiological Studies Depression Scale(CES-D)に基づく妊娠中うつ症状の有症率が低いという論文を投稿した。追跡調査では13歳時追跡調査を完了し、867名から思春期うつ症状のアウトカムに関する情報を得た。 令和3年度、愛大コーホート研究のデータを活用した英文原著論文2編を公表した。聴力検査を実施した1018名において、WHOの定義に基づく難聴とCES-Dに基づくうつ症状の有症率はそれぞれ24.9%と13.0%であった。65歳未満の中年層において、難聴とうつ症状との有意な正の関連を認める一方、65歳以上の老年層ではそのような関連を認めなかったという論文を投稿した。令和3年度は、新型コロナの影響で愛大コーホート研究ベースライン調査のリクルート活動を十分に展開できなかったが、794名の方に参加いただき、令和3年度末で累計9482名が愛大コーホート研究のベースライン調査に参加するに至った。約7100名の遺伝子検体を用いて、ITIH4 SNP rs2239547のタイピングを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
着実に査読のある学術誌に英文原著論文として投稿し、エビデンスとして公表している。九州・沖縄母子保健研究の追跡調査及び愛大コーホート研究のベースライン調査を実施している。遺伝子多型のタイピングも堅実に実行している。
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今後の研究の推進方策 |
現状の研究活動を継続して推進し、英文原著論文としてのエビデンスの蓄積に尽力する。
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