研究課題/領域番号 |
21H03240
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
植木 純 順天堂大学, 大学院医療看護学研究科, 特任教授 (50203427)
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研究分担者 |
佐野 恵美香 杏林大学, 保健学部, 准教授 (10404930)
原田 紀宏 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10465065)
北村 幸恵 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (10773731)
高谷 真由美 順天堂大学, 医療看護学部, 先任准教授 (30269378)
和田 裕雄 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (50407053)
池田 恵 順天堂大学, 医療看護学部, 先任准教授 (50514832)
植木 理恵 順天堂大学, 医学部, 教授 (80255695)
森沢 知之 順天堂大学, 保健医療学部, 准教授 (80552512)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | セルフケア支援 / AI / 慢性閉塞性肺疾患 / 慢性心不全 / 手術部位感染 / 喘息 / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
本研究の特色は、喘息、COPD等の慢性呼吸器疾患や慢性心不全患者、大腸がん患者の術後SSI(手術部位感染)予防を対象に、新しい遠隔介入型のセルフケア支援システムを開発して、システムのコアとなる個別化されたケアプランに基づきアセスメントを行い、助言や賞賛、行動計画を提示して支援を行うモバイルAIを開発、多職種とモバイルAIが連携する新しいセルフケア支援システムを開発し有用性の検証を行うことにある。また、術後SSI予防に関する研究は海外共同研究者として英国ノッティンガム大学Judith Tanner教授が加わる。昨年度は、セルフモニタリングを中心におき、モバイルAIが患者や家族、パートナーに寄り添いながら、内発的動機づけを促し、行動の習得などにより自己効力感を向上させ、健康状態を回復・維持する生活行動に変容するためのケアプロトコールをそれぞれの病態別に作成した。本年度は、ケアプロトコールのコアとなるモバイルAI開発を中心に研究を行った。モバイルAIは、インターネット接続の有無や速度に影響されずに使用できるように、オフラインで動作する仕様とした。患者のセルフアセスメントを支援する機械学習AI搭載モバイルアプリケーションソフトウェアとして、浮腫、呼吸法評価、呼吸補助筋および体幹ストレッチング手技評価のプロトタイプを作成した。また、昨年度作成した呼吸音、皮膚の炎症評価モバイルAIプロトタイプの修正を行った。対象4病態のセルフマネジメント支援や行動計画の提示などを行うソフトウェアは、ルールベースAI搭載モバイルアプリケーションとして多専門職者のスキルや経験を、教育コンテンツでは最新ガイドラインの内容を反映させた。術後SSI予防のモバイルアプリケーションは、ノッティンガム大学での検討や収録などを行い、NICEのガイドラインを反映させるなど、英国での診療に対応できる英語版の仕様とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度は、喘息、COPD、慢性心不全、大腸がん患者の術後SSI予防の4病態を対象に、セルフモニタリングを中心におき、モバイルAIが患者や家族、パートナーに寄り添いながら、内発的動機づけを促し、行動の習得などにより自己効力感を向上させ、健康状態を回復・維持する生活行動に変容するためのケアプロトコールを病態別に作成した。本年度は、ケアプロトコールのコアとなるモバイルAI開発を中心に研究を行った。患者のセルフアセスメントを支援する機械学習AI搭載モバイルアプリケーションソフトウェアとして、浮腫、呼吸法評価、呼吸補助筋および体幹ストレッチング手技評価のプロトタイプを作成した。また、昨年度作成した呼吸音、皮膚の炎症評価モバイルAIプロトタイプの修正を行った。機械学習AI用に必要な臨床データの集積は、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響により遅れている。呼吸音の収集では最適な集音マイクの評価や皮膚の炎症評価では、皮膚色の標準化など、解決すべき課題も残っている。対象4病態のセルフマネジメント支援や行動計画の提示などを行うルールベースAI搭載モバイルアプリケーションもさらなる最適化が必要である。術後SSI予防に関しては、英国での新型コロナウイルス感染症の蔓延状況などの情報を元に調整を行いノッティンガム大学での検討や収録を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の蔓延状況、研究協力施設となる附属病院等医療施設の感染症患者数や医療スタッフ間でのクラスターの発生状況等を経時的に評価してタイミングを図りながら、機械学習AI搭載アプリに必要な臨床(学習)データの収集を目指す。また、プログラムエンジニアとは、研究開始当初から現在までWEBによる毎週の遠隔定例会議で機械学習AI搭載アプリ、ルールベースAIを搭載したセルフマネジメント支援アプリの設計、アプリのテスト結果や修正などのためのディスカッションを行ってきたが、今後は研究分担者、英国の海外共同研究者間でも遠隔会議、必要に応じて対面での作業を行い研究の推進に取り組む。
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