研究課題
産科病棟では、搾乳した母乳を小分けにして保管し、授乳後、残った母乳は再利用せず廃棄するのが一般的となっている。その根拠を探るべく、以下の解析を行った。出産1週間以内の、健康な母子を被験者とし、インフォームドコンセントを得た後、母乳を滅菌容器に搾乳してもらった。搾乳直後、2)4℃で12時間、保管した場合、さらに、滅菌した哺乳瓶を使用して新生児に授乳した直後、およびそれを4℃で12時間、保管した場合、の各例について、母乳1.0 mLを採取し、試料とした。各試料をボルテックスで分散・均一化後、連続10倍希釈し、CDC血液寒天培地に接種し、37℃で嫌気的に培養した。その結果、搾乳直後および4℃で12時間保管後で、それぞれ(1.2 ± 1.6)×10の5乗および(9.6 ± 9.6)×10の4乗 CFU/mLの細菌(434および165菌株)が得られた。一方、新生児に授乳した直後および授乳後12時間保管後では、それぞれ(2.5 ± 1.7)×10の5乗および(1.6 ± 2.2)×10の5乗 CFU/mLの細菌(467および171菌株)が得られた。現在、16S rRNA sequence(PCR-RFLP)解析、同定を行っている。
2: おおむね順調に進展している
現在、行っている解析結果について、7月の臨床化学会(支部会)および8月の臨床検査学教育学会で発表できる見込みであることから。
サンプル収集と並行して16S rRNA sequence(PCR-RFLP)法による口腔内細菌叢解析を行う。搾乳母乳と(母乳あるいは液体ミルクの)飲み残したものからサンプリングし、4℃で12時間・24時間の保存を行う(n数の確保・増加を図っている)。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件)
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