研究課題/領域番号 |
21H03259
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
竹原 健二 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 政策科学研究部, 部長 (50531571)
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研究分担者 |
加藤 承彦 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 社会医学研究部, 室長 (10711369)
須藤 茉衣子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 政策科学研究部, 研究員 (40817243)
可知 悠子 北里大学, 医学部, 講師 (10579337)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 父親 / ワークライフバランス / 育児休業 |
研究実績の概要 |
父親の育児参加の促進が、少子化対策や男女共同参画社会の実現、母親の産後うつの予防 など、様々な社会的・母子保健的な課題を改善する、と強く期待されている一方で、「父親の育休は父親の育児参加に効果がある」と誘導的に解釈されることもあり、結論ありきの議論が展開されつつある。本研究では子育て期の父親における、仕事と家事・育児の両立の実現や、Well-beingの向上につながる働き方、暮らし方について明らかにし、社会に情報を発信することを目指している。 令和3年度は、本研究で計画していた取り組みのうち、①後ろ向きコホート研究による父親の育休取得の中・長期的な影響の評価に関する実施と、②育休取得の効果に関する系統的レビューの文献の検索をおこなった。①の調査では、Web調査会社インテージのモニター会員のうち、末子が未就学児で20-79歳の男性を対象にスクリーニングをおこない、育休取得群と非取得群で5575人分のデータの収集をおこなった。調査項目は、QOL、メンタルヘルス、Presenteeism(労働生産性)などとした。 育休取得の効果に関する系統的レビューは、文献検索の専門家の支援を受け、MEDLINE、EMBASE、Cochrane、CINAHL、PsycINFO、SSCIの6つのデータベースに含まれる英語論文を検索し、最終的に5820件の文献がヒットした。そのうち、Abstractに日本/Japanが含まれている論文は64件であった。これらの研究を進めることにより、令和4年4月から段階的に施行される「男性育休義務化」についての議論の土台となる資料の提示に努める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた活動のうち、Webアンケート調査の実施、系統的レビューについては調査・研究が進んでいる。自治体における調査はCOVID-19の影響もあり、調整が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、収集したWebアンケート調査の解析を進め、育休の取得がその後の男性のQOLやメンタルヘルス、Presenteeism、仕事へのモチベーションなどにつながるのかどうかを探索的に明らかにする。その結果を速やかに英語論文として発表する。またその後、その成果をプレスリリースなどを通じ、国民に広く周知し、男性の育休・育児参加のあり方、働き方改革に関する議論の推進に貢献することを目指す。 育休取得に関する系統的レビューでは、検索された論文について、タイトル・アブストラクトによる一次スクリーニングをおこない、その後、本文をもとにしたスクリーニングをおこない、データの抽出対象となる論文の選定を進めていく。 夫婦の子育てニーズに関する実態把握については、自治体と調整をとりながら具体的な実施方法や調査項目の検討を進め、研究計画の策定を進める。
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