研究課題/領域番号 |
21H03313
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
須藤 英毅 北海道大学, 医学研究院, 特任教授 (30374367)
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研究分担者 |
岩田 玲 北海道大学, 大学病院, その他 (10374373) [辞退]
山田 勝久 北海道大学, 大学病院, 助教 (20771893)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自家骨髄濃縮液 |
研究実績の概要 |
In vitro試験として、自家骨髄濃縮液(BMAC)と椎間板細胞を硬化性ゲルに包埋した3D共培養を行った。椎間板細胞は20週齢日本白色家兎の正常椎間板組織より単離、培養し獲得した。BMACは骨盤部より採取した。椎間板細胞単独群、BMAC単独群、椎間板細胞とBMACの混合群の3群に分け、2%アルギン酸水溶液およびBMACと4%アルギン酸水溶液を同量で混合した混合液を作成した。椎間板細胞を1mLの両溶液に1×10 (6乗) cell/mLの濃度で包埋し、BMAC単独群は細胞を包埋せず混合液1mLのみを用いた。塩化カルシウム溶液に滴下しゲル化させた。 培養7日後にゲルを溶解しセルソーターを用いて椎間板細胞を分離し、細胞外基質および成長因子の遺伝子発現量を評価した。細胞外基質はType II collagenとAggrecan、成長因子はCDMP-1、TGF-β、IGF-1の3種に対する遺伝子発現をqRT-PCRにより評価し、いずれの遺伝子においても椎間板細胞とBMACの混合群が有意に高値であることを証明した。
更に、in vivo試験として3種のBMAC作製機のうちで最も効果の高い機器を選定したのち、犬椎間板組織へのBMAC埋植手術をGLP準拠施設にて実施した。具体的には、12カ月以上のビーグル犬の脊椎板内に欠損を作製し、その中に、アルギン酸ナトリウム+BMAC埋植、アルギン酸ナトリウム埋植、埋植なしのいずれかをランダムに振り分けた処置を行った。L1/2~L4/5椎間板を対象とした。その後、飼育管理および定期的な体重測定を行った。また、硬化性ゲルとBMACや幹細胞を混合させたゲルに対する力学解析を行い、群間差がないことを明らかにした。 以上の成果を国際ジャーナル(EBiomedicine)に掲載するとともに、椎間板再生医療に関する総説を国際ジャーナル(Cells)へ2編掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
次年度以降に実施予定だった動物実験を今年度中に開始できたため。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度に実施した犬動物実験において、埋植24週後の椎間板組織に対するMRIおよび病理組織学的評価を実施していく。
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