立位姿勢から歩行動作への移行期の不安定な動作からの転倒回避に関する運動制御則を明らかにするために、1)静止立位中に様々な方向へのステップ動作、2)高さの異なる跨ぎ動作の下肢筋の適応過程を検討した。1)ステップ動作において方向により筋シナジーの重みが異なった。前方向に関してつま先の座標に視覚回転外乱を与えたところ、筋シナジーの活動を調節することで下肢の動作の適応が観察された。2)筋シナジーの活動度によりまたぎ動作の高さを制御していることが観察された。本研究により、立位動作から歩行動作への移行期の動作は、筋シナジーにより簡略化され、動作の適応に筋シナジーが関与していることが示唆された。
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