研究課題/領域番号 |
21H03375
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
瀬川 博子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (70325257)
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研究分担者 |
塩崎 雄治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (70908748)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | リン / 老化 / 腎臓 / klotho / FGF23 / トランスポーター |
研究実績の概要 |
リン代謝調節の破綻は成長遅延のみならず、腎臓病、骨代謝異常をはじめとする慢性疾患発症に関与し、臓器の老化進行に関与することが示唆されている。Klotho遺伝子は、リン調節を介する抗老化因子として同定され、その役割は、リン調節ホルモンFGF23の共受容体として作用である。Klotho/FGF23システムは、全身の老化を制御するが、このシステムには、そのスイッチをOn/Offにする新規タンパク質の存在が想定されている。我々は、Klotho-regulatory factor (P-TRAP: Phosphate transporter-associated protein)を見出し、そのノックアウトマウスを解析すると、Klotho/FGF23システムの消失が確認された。本研究は、Klotho/FGF23/P-TRAPシステムの解析を行い、抗老化因子を制御するミネラル代謝系を解明する。令和4年度は、1)P-TRAP conditionalノックアウトマウスをゲノム編集により作製し、P-TRAPの発現臓器である腎臓とP-TRAP およびFGF23産生臓器である骨特異的欠損Creマウスとの交配に至る準備ができた。P-TRAP欠損によるFGF23産生のきっかけとなる臓器を決めることができる。2)マウスにおける腎疾患モデルはヒトの慢性腎臓病モデルとして適したモデルが存在しない。このことから、まずヒトの慢性腎臓病モデルに近い誘導型疾患モデルの確立を本年度に行い確立できた。次年度は本疾患モデルとP-TRAPグローバルノックアウトノックアウトマウスとの交配を進め腎疾患時のP-TRAP の役割を解明する。3)P-TRAP-NaPi2ネットワーク解析に関しては、P-TRAP-ノックダウンモデル細胞が完成でき、FGF23およびPTHによる応答、2分子の関係について検討を進めることができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒトの慢性腎臓病モデルに近い誘導型疾患モデルの確立できたこと、確立臓器特異的 conditionalノックアウトマウス作製について、ゲノム編集技術(CRISPR/Cas9)による遺伝子改変マウスの作製に切り替え完成できたこと、P-TRAP-NaPi2ネットワーク解析に関しては、P-TRAP-ノックダウンモデル細胞が完成できたことより研究計画が遂行できると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
1)P-TRAP臓器特異的 conditionalノックアウトマウスの交配、解析等に入る。 2)P-TRAPグローバルノックアウトノックアウトマウス腎疾患モデルを作製しP-TRAP の役割を解明する。 3)P-TRAP-NaPi2ネットワーク解析では、P-TRAPノックダウンモデル細胞においてノックアウトマウスと同様な結果が得られるか、またそのメカニズムを解析する 4)リン以外のミネラルに対するP-TRAPのFGF23制御では、P-TRAPグローバルノックアウトマウスの解析を引き続き行う。
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