研究課題/領域番号 |
21H03386
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
若林 一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70220829)
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研究分担者 |
中野 知之 山形大学, 医学部, 准教授 (00333948)
丸茂 幹雄 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (40333950)
大門 貴志 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40372156)
荒木 慶彦 順天堂大学, 大学院医学研究科, 先任准教授 (70250933)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 動脈硬化性疾患 / 高血圧 / ペプチドマーカー / 妊娠高血圧 / リスク予知指標 |
研究実績の概要 |
飲酒時の血圧変動と関連するペプチド(m/z 2378)が妊娠高血圧に関連する7つのペプチド(m/z 2081, 2091, 2127, 2209, 2378, 2858, 3156)の1つと同一であったことから、これらのペプチドの血中レベルと動脈硬化のリスクファクターとの関連性を検討した。定期健診受診者では、7つのペプチドの中で、m/z 2091のペプチド(P-2091)のみが拡張期血圧と有意な負の相関を示した。m/z 2378のペプチド(P-2378)はBMIと正の相関を示し、HDLコレステロールと負の相関を示した。m/z 3156のペプチド(P-3156)はBMIおよび中性脂肪と負の相関を示した。ヘモグロビンA1cと有意な相関を示すペプチドはなかった。以上の結果から、P-2091(fibrinogen α鎖由来)、P-2378(complement component 4由来)、P-3156(inter-α-trypsin inhibitor由来)は健常人で心血管疾患リスク予知のバイオマーカーになる可能性が示唆された。 動脈硬化による心血管疾患のリスク予知指標として、我々は血中脂質と肥満のいずれをも反映するCMI (cardiometabolic index)を提唱した。今回新たなリスク予知指標として、血中ヘモグロビン濃度と白血球数で計算されるHMI (hematometabolic index)を考案し、血中ペプチドレベルとCMIおよびHMIとの関連性を健常人で検討した。CMIとHMIは有意な正相関を示した。7種類のペプチドの中で、P-3156はCMIと有意な負の相関を示し、P-2378はHMIと有意な正相関を示した。これら以外のペプチドはCMI、HMIとは有意な相関を示さなかった。このようにP-2378とP-3156が動脈硬化のリスクと関連することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により健診関連の疫学研究が計画通りに進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
健常人対象の疫学研究に加えて、動脈硬化性疾患である下肢動脈硬化症患者を対象として、ペプチドマーカーの意義を検討する。また、血管壁細胞を用いた実験研究を推進する。
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