最終年度は,間引きサンプリング動作に適した回路・システム・復元処理を統合することで,間引きサンプリング法の有効性を総合的に評価する研究を行った. 【回路】圧縮センシングシステムに適した電力効率の高い電源回路を作成し,実機による検証を行った.また,圧縮センシングの数理を活用することで,省電力動作が可能な増幅器回路の構成を検討し,実機作成とシステム評価を通して有効性を確認した.これらの研究の成果は国際会議SSDMの会議論文集(査読付き)ならびに査読付き原著論文として採録・掲載された. 【システム】圧縮センシングを採用したシステムにおけるセキュリティ課題を解決するために,高セキュア通信が実現できる新しいシステムを提案した.本内容は国際会議ICCE2024の会議論文集(査読付き)に掲載された.さらに,復元処理を工夫することで回路雑音の影響を低減できる計測システムに間引きサンプリング法を採用し,その有効性を確認した.本研究成果の一部は,国際会議ISCAS2024の会議論文集(査読付き)に掲載予定である. 【復元処理】過去の復元処理で得られたパラメータを再利用する新しい復元処理・システムを提案し,その有効性を確認した.本内容は国際会議ICCE2024の会議論文集(査読付き)に掲載済みである.
上記以外にも,国内会議にて4件(回路1件,システム2件,復元処理1件)の研究成果発表を行うことができた.さらにシステム実装に関連した1件の特許を出願した.また,研究成果を解説記事や書籍にまとめ,広く公表した.
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