研究課題
格子H行列に関連する低ランク構造行列法のアルゴリズムの研究・開発を行った。格子H行列の分割構造を、補助情報(座標情報など)を用いず、行列要素情報のみから構築する数学的手法を提案し、数値実験を通じて有効性を検証した。格子H行列の特殊な場合である対称ブロック低ランク(BLR)行列について、近似的な全固有値・固有ベクトルを求めるための数学理論および精度保証手法を提案し、具体的な計算手法および並列計算アルゴリズムを開発した。この成果が認められ、情報処理学会山下記念研究賞を受賞した。さらに、対称H2行列について、指定した範囲内にある中間固有値を計算する理論および実装法を提案した。格子H行列法の適用範囲の拡大に取り組んだ。動的破壊シミュレーションに用いられる数値計算手法であるFDPM法と格子H行列法を組み合わせた新手法を地震波伝搬問題に適用し、手法の有効性について調査した。また、MRI検査装置などに用いられるコイルの配位最適化計算に現れる長方行列を、低ランク近似法の一種であるACA+法を用いて近似し、計算時間と使用メモリを大幅に削減する手法を提案した。格子H行列法の高性能実装に関する研究を実施した。格子H行列ベクトル積計算を分散メモリ並列計算システム上でMPI/OpenMPハイブリッド並列で実行する際に、MPIプロセスごとに異なる数のOpenMPスレッドを割り当てる機構を開発した。さらに、MPIごとに異なる数のOpenMPスレッドを割り当てる機構において、量子アニーラを用いて最適配分を予測する手法を開発した。また、格子H行列ベクトル積計算のGPU化および最新CPUへの最適化を実施し、地震周期解析コードに適用した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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