研究課題/領域番号 |
21H03454
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60100:計算科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高橋 徹 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90360578)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 電磁波動散乱問題 / 境界要素法 / 高速アルゴリズム / 時間領域 / 形状最適化問題 / 形状微分 |
研究成果の概要 |
まず、3次元電磁波動散乱問題用(散乱体は完全導体と仮定)の時間領域境界要素法(TDBEM)に対する高速アルゴリズムを新たに提案し、数値実験によって、従来のアルゴリズムに従うTDBEMよりも有意に計算時間および必要記憶量の削減に成功した。次に、開発した高速TDBEMプログラムをメモリ分散計算環境(PCクラスター)用にOpenMPIとOpenMPを併用したハイブリッド並列化した。並列化効率は高々50%に留まっているものの、必要メモリの分散化においては成功したと言える。最後、表面電流密度に基づくTDBEMに適した形状微分の導出に成功し、勾配法に基づく形状最適化手法の開発を実現した。
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自由記述の分野 |
計算科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高速多重極法を端とする境界要素法の高速化に関する約30年に渡る研究領域において、難易度が高い時間領域電磁波動散乱問題に対して高速アルゴルズムの開発および並列実装を達成した点は学術的に価値が高い。同時に、対象を完全導体のみならず誘電体や金属に拡張するための基盤を形成した点も有意義である。本高速時間領域境界要素法の適用には課題を残したが、本研究が開発した時間領域境界要素法に基づく形状最適化手法そのものは普遍的な内容であり、自由空間(大気あるいは宇宙空間)における過渡的な電磁波動現象の解析・設計に対して有用なツールを産業・社会に広く提供するものである。
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