研究課題/領域番号 |
21H03473
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高嶋 和毅 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (60533461)
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研究分担者 |
伊藤 雄一 青山学院大学, 理工学部, 教授 (40359857)
藤田 和之 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (70835545)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | バーチャルリアリティ / ロボット群 |
研究実績の概要 |
様々な分野で新たな仕事場として期待が高まるVR(バーチャルリアリティ)であるが,現在のVRでは,インタラクション中に身体の部位を適切に支持するための機構が存在しないため,姿勢が安定し難く腕の疲労蓄積が早いという問題があり,精密なインタラクション(筆記,スケッチ,モデリング等)を長時間実施することは困難である.本研究では,環境側に配置したロボットデバイス群により,VRユーザの作業内容に適切な身体支持面を動的に提供することで,VRの高い動的性やモビリティを阻害せずに,高精度かつ安定的なインタラクションを導く新たなVRシステムを実現する. 本年度は,(1)本提案の基盤となるロボット群のプロトタイプとそれらを安全に運用する群制御アルゴリズムを開発した.一つのロボットは,全方位移動ロボットの上に上下昇降かつ角度調節機能を持つタッチスクリーンを設置しものであり,そのタッチスクリーンを空間内の所望の場所と角度に自動的に置することができる.本年度には,数台のロボットを同時運用することができるシステムを開発することができた.さらに,要素技術の改良として,(2)ロボットに搭載する上下昇降兼傾き制御機構の軽量化も検討した.リールアクチュエータを用いたもので大幅な軽量化が図れることが分かった一方で,安定性などの課題を把握することができた.そして,(3)提案システムの最終形態を見据えて,バーチャルリアリティシステムにおいて,HMDを装着したユーザの周囲やバーチャルなインタラクション面に,開発したロボット型タッチスクリーン面を自動的にかつ安全に配置できるシステムを開発した.技術的な評価を実施し,本プロトタイプは,ユーザスタディを実施できる完成度であることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021と2022年(繰り越し分)度の研究を通して,要素技術はすでに開発が完了している.それらを全てバーチャルリリティシステムに統合する作業にもすでに進捗がある.最終年度において,要素技術のブラッシュアップ,全体システム改良,ユーザスタディおよび利用ケースを想定したアプリケーションの開発をする予定であるが,ノウハウ,ソフトウエア,ハードウエア及び実験設備面で準備が整っているため.
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今後の研究の推進方策 |
これまで開発してきた要素技術を統合し,ユーザによる評価を実施する.また,その結果をうけて,改良案や具体的なアプリケーションの開発を推進する.
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