研究実績の概要 |
本研究の目的は,希少データのための機械学習手法の開発とその実応用である.本研究は,(A) 特殊な分布を利用したBayesian Deep Neural Network (BDNN)の開発,(B) 確率モデルのネットワーク埋め込み,(C) 希少データ解析への応用から構成される.各項目に関連する研究実績は以下の通りである. (A) 相対的な順序ラベルが付与されたデータセットから学習できるBDNNを提案した(Kadota et al, MIUA, 2022).提案法は,病気の重症度推定のような段階的なスコア予測タスクに利用できるだけでなく,提案BDNNの不確実性予測とactive learningと組み合わせることにより,内視鏡画像の効率的なアノテーションへ応用した. (B) 確率モデルに基づくNNを複数提案した.第一に,正規分布をベースとしたenergy-based modelとsoftmax関数を用いた識別層を相関させつつ学習する方法を提案し,識別器の信頼度較正へ応用した(Hayashi, MIRU, 2022).さらに,提案法で構成した信頼度を利用した疑似ラベル学習手法を提案し,半教師あり画像識別タスクへ応用した(鳥羽ら,電気情報関係学会,2022).第二に,隠れマルコフモデルに基づくNNを提案し,脳波識別ならびにブレインマシンインタフェースに応用した(Hayashi and Tsuji, IEEJ Trans., 2022). (C) 新生児の自発運動であるgeneral movements (GMs)動画像の自動識別において既存手法を上回る精度を達成した(Hashimoto et al., MICCAI, 2022).提案法では新生児を情報から撮影した動画像に対して,空間情報と時間情報を抽出するNNをそれぞれ構築し,抽出した特徴量を結合することで精度良い識別に役立てる.
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