研究課題/領域番号 |
21H03515
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
鳥飼 弘幸 法政大学, 理工学部, 教授 (20318603)
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研究分担者 |
関屋 大雄 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (20334203)
若宮 直紀 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (50283742)
松原 崇 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (70756197)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 神経補綴 / 無線通信 / 無線給電 / FPGA / 機能創発 |
研究実績の概要 |
本研究では以下を目的に掲げている。脳の一部を置き換え可能なレベルの高度な性能を持つ神経補綴装置を実現するための基礎技術を確立する。具体的には、あたかもiPS細胞のように初期万能状態から捕綴対象部位の細胞へと機能分化を果たす電子万能神経細胞モジュールを開発する。そして、同細胞モジュールを用いた電子万能神経細胞ネットワークを構成し、捕綴対象部位に応じた適切な創発性を発現「させるための」設計論を構築する。さらに、非侵襲性を高めるために通信と給電が完全無線化された同ネットワークの実装法を提案する。
これに対して、2021年度は以下の研究成果を得た。 (1)ヒトの脳の神経細胞が持つ非線形力学の模倣に特化した確率的離散状態モデルの設計手法を構築した。また、同モデルの「離散状態」と「パラメータ」を電子回路の「メモリ素子」と「配線パターン」に適切に対応させることによって、生物の神経細胞の非線形力学をハードウェアとして効率よく実装する方法を構築した。そのようにして実装された電子回路が、万能状態の細胞に対応する「電子万能神経細胞モジュール」である。 (2)電子万能神経細胞のネットワークを構成し、同ネットワークに補綴対象部位の非線形力学及び非線形応答特性を再現させるためのパラメータ設定方法を構築し、シミュレーションによってその有効性を示した。 (3)通信と給電が完全無線化された電子万能神経細胞ネットワークを実現するための基礎的な実験を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究計画に対する研究の進捗状況を以下にまとめる。 (1)今年度は、小型かつ低消費電力な電子万能神経細胞モジュールの設計を計画していた。これに対して、万能性を有する神経細胞モジュールを設計し、同モジュールの小型化・低消費電力化のための方策を示した。 (2)今年度は、電子万能神経細胞ネットワークに創発性を発現させて神経補綴装置として機能させるための設計論を構築する計画であった。これに対して、電子万能神経細胞ネットワークに生物の神経系の非線形力学を模倣させるための設計論を提示した。これは、同ネットワークに創発性を発現させるための基礎となる結果である。 (3)今年度は、生体内でも安定して神経補綴装置として機能する完全無線化電子万能神経細胞ネットワークを実装する計画であった。これに対して、同ネットワークの無線化に関する基礎的な実験を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、2021年度に引き続き、以下のように研究を推進する。 (1)2021年度に設計した電子万能神経細胞モジュールの分化アルゴリズムを洗練させるとともに、小型化・低消費電力化にも取り組む。 (2)2021年度に提示した電子万能神経細胞ネットワークに生物の神経系の非線形力学を模倣させるための設計論を発展させて、電子万能神経細胞ネットワークに創発性を発現させるための設計論を構築する。 (3)2021年度に実施した電子万能神経細胞ネットワークの無線化に関する基礎的な実験結果を発展させ、生体内でも安定して神経補綴装置として機能する完全無線化電子万能神経細胞ネットワークを実装する。
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